Thelma & Louise (1991) | ホタル舞う夜の空

Thelma & Louise (1991)

私はアメリカって行った事が無いので、本当のところはよく知らないけど、アメリカ白人社会の底辺でマッチョーな 男達に虐げられている女達。(そう言えば東京で働いていた頃、社員旅行で連れて行かれたことがあったっけ。正味3日間で遠出も出来ず、つまらなかったっ け)

 
タイトル: テルマ & ルイーズ


気が強くてしっかり者のルイーズと、何かというと怒鳴り散らす思いやりのかけらもない夫に押さえつけられている頼りないテルマ。そん なテ ルマがルイーズに焚き付けられて、夫の許可も取らずに書置きだけ残して週末の遠出に繰り出した時点で、既に運命は違う方向に動き出していたんだ。日常生活 から開放され、ハイテンションではしゃぐ二人の笑顔はティーンエイジャーみたい。

せっかくの楽しい週末旅行だったはずなのに、突然悪夢に変わる。これもきっかけは女に対する思いやりのかけらもない男との接触が原 因。専業主婦で世間知ら ずのテルマはすぐに男を信用してしまう。もちろんテルマが男にだらしないからという言い方も出来るけど、同時に女に対するリスペクトが無い男の乱暴な言動 が引き金を引かせたんだ。こういうマッチョーな男って世界中どこ見てもたくさん居る。

歯車が一つ掛かり違うと、どんどん事態が違う方向へと転がっていく。本当に、転がっていくとしか言いようがないように、止まらない二 人。
 
男の力を当てにせず自分の力で生活しているしっかり者のルイーズは、ことの重大さに完全に思考がストップしてしまう。すると今度はテルマが、土壇場で度胸 の良さを発揮する。結局これが状況をもっと悪化させていくんだけど。「あたし、こういう才能あるみたい」彼女の生き生きした表情が、なんだか逆に切ない。

中年の刑事が、二人の状況を察して何とか最悪の事態だけは避けさせようとする。なんでこのおじさんだけは彼女達 の味方なの?会ったことも無いのになぜ状況を理解しているの?疑問は多少残るけど、この中年刑事の存在が映画中盤の唯一の救い。
 
どこかのレビューで読んだ気がするんだけど、80年代までハリウッド映画では女って言うとブロンド・碧眼、バービーちゃんタイプのいわゆる添え物の存在 だった。男のせいで痛い目にあっている、いわゆる社会の底辺に位置する女二人を主人公にしたロードムービーって、当時としては画期的だったらしい。その時 に映画館で観たかった。

先日家に帰ると、只今我が家で居候中のコロンビア人の友達がこの映画を観ていた。キッチンでご飯を食べていると時々聞こえてくる彼女の笑い声、、、そんな に爆笑するような映画だった?ま、あの子は時々変なシーンでケタケタ笑い転げるんだけど。