あかいにんじん♪ しろいだいこん♪ | ホタル舞う夜の空

あかいにんじん♪ しろいだいこん♪

今日は死語のオンパレードで行ってみたいと思います。

この間日本に一時帰国したとき、実家の私の部屋の勉強机の引き出しに眠っていたカセットテープを持ってきた。
普段はカセットテープなんて聴くことはないんだけど、トラちゃんのVWポロにはラジカセしかついていないのだ。

トラちゃんのポロに積んであるカセットといえば、当然彼のティーニー(ティーンエイジャー)時代を代表する音楽ばかりで、さらにハードロックなんかが多かったりする。男のですから、やっぱり。

年齢差が6歳もあると、やはり流行っていた音楽が違う。
私の高校時代が80年代の後半ならば、トラちゃんの高校時代は90年代(涙)
さらに、音楽といえば本当に気に入ったものだけを、ピンポイントで、それこそカセットが擦り切れるまで延々と聴きつづけていた私は、彼のカセットを聞いていても初めて聞く音楽ばかり。
かといって、私が以前日本から持ってきていたシンディー・ローパーの「True Colors」なんかを掛けて、ゴキゲン

あいしーゆぁとぅるぅーかぁらぁーずしゃいにんするぅ~♪

なんて歌ってみた日にゃあ、
グレイテスト・ヒッツ/シンディ・ローパー

運転席でハンドルを握るトラちゃんが
うおーーーーー、あはつぃがー(80年代)っ
と、身もだえしていたりする。

悪いっ?!(怒)


そんな私たちが最終的に落ち着いたのが、
サザン・オールスターズの「バラッド '77~’82」、
バラッド '77~'82/サザンオールスターズ
そして

東京スカパラダイスオーケストラの「ワールドフェイマス
ワールド フェイマス/東京スカパラダイスオーケストラ
この2枚はトラちゃんもお気に入り。

エリ~♪ とか、おー、くらうでぃあ♪ とか一緒に唄っているくらい(笑)
彼にしてみれば、日本のポップスで、ヨーロッパの名前が使われていたり、部分的に英語が入っていたりする駅弁の如きごちゃ混ぜ感が面白いらしい。
スカパラはもう文句なし、時代には関係なくカッコイイもんはカッコイイからね。

で、二人で車に乗る時はいつもいつもこのどちらかが鳴っていた。


しかし、さすがに2本のエンドレスリピートもそろそろ飽きてきたので、この間の一時帰国で、さらに古いテープを何本か掘り起こして持ってきたのだ。

その中の1本は、


谷山浩子の「しっぽのきもち
しっぽのきもち/谷山浩子
このアルバムには、NHKの「みんなのうた」で使われた曲「しっぽのきもち」「おはようクレヨン」「恋するニワトリ」「まっくら森のうた」や、劇場版「未来少年コナン」の主題歌「愛をもういちど」までが入っている。
私の中ではイチオシの一枚

唄う谷山浩子は、少し舌っ足らずでたまに音程が微妙にずれていたりもするんだけど、
歌詞は何度聴いても改めてすごいと感心する。

耳に馴染みやすいメロディにきれいに乗ったやさしい単語ときれいな言葉、リフレインですんなり歌詞が頭に入ってくる。
歌の中で展開するお話は、豊な想像力で描き出されるファンタジーの世界で、眠っていた子供心がむくむくと起き出してワクワクし始める。
庭のニワトリが風見鶏に恋しちゃう恋するニワトリ」とか、歌詞で韻を踏んでいたり、たくさんの言葉遊びが隠されているのを聞けば、子供ってこうして言葉を覚えていくんだろうなあって感心するし、
多くの子供が嫌いなニンジンが自ら「嫌われてるけど、本当は美味しいんだよ~、一度食べてみて」って唄っているのは、とっても微笑ましい。
昨日は明日、早いは遅い、時計がさかさまに回るまっくら森のうた」を始めとした、シュールな内容の歌もいくつもあり、いい年した大人になった今でも、いつ聴いてもついついその世界に引き込まれてしまう。

このアルバムは特に、高校生の頃、大切な友人がダビングしてくれた数々のカセットテープの中でも、一番のお気に入りで、繰り返し繰り返し聴いては一緒に歌っていた思い出のテープでもあるし、
さらに未来少年コナンって聞くだけで目がウルウルしてきそうな私にとっては、大切な大切な一曲だ。



さて話はいきなり変わるけど、クリスマス後から元旦にかけて、私とトラちゃんはフランスの知り合いを訪ねていた。
片道が5時間くらいの距離だ。
その車中では、もちろん、今回日本から持ってきたカセットが大活躍(?)した。
この谷山浩子のカセットも、往路、復路、それぞれ2回ずつくらいは繰り返し聴いただろう。

そのカセットに合わせて私が大声で歌っていると、日本語を少しずつ勉強して居る上に、日本滞在で日本語が少し聞き取れるようになったトラちゃんがところどころで声を上げた。

”Moichido”?noch einmal(もう一度)?
"Daikon"? Daikon-Rettich(大根)?


おー、おー、そんなに聞き取れるようになったか、と、嬉しくって、一曲一曲、内容を説明しながら、トラちゃんに聞き取れそうなフレーズを教えていった。
まさに、小さな子供が言葉を覚えていく過程を見ているみたい(笑)

小さな子供と違うのは、

キャロットスープ?
どうして英語なの?
日本語では何ていうの?
ニンジンのスープ、おぇーーーーー、不味そう。


とか、いちいちかわいげないことを言うところ。



そして昨夜、トラちゃんが何やら楽しそうに鼻歌を歌いながら帰ってきた。
部屋に入ってきて、私を見るなり、大声で歌い出した。


あかいにんじん♪ あかいにんじん♪

しろいだいこん♪ しろいだいこん♪


楽しそうですわ(笑)