ガールズ・トーク ~焼酎ケーキで大盛り上がり | ホタル舞う夜の空

ガールズ・トーク ~焼酎ケーキで大盛り上がり

久しぶりに(他人の)恋の話でも。



先日、同僚K.T.の誕生日パーティがあった。



知っている人もいると思うけど、ドイツでは(ヨーロッパでは?)誕生日は「自分で祝う」もの。


友人達を自宅に招き(もちろん場所を借りて祝う人もいるけど)、

アパートメントを片付け、

朝からケーキを焼いて、料理をするまで自分でする。


招かれた友人達は、プレゼントを用意したり、ワインを持って来たり、ケーキやサラダを持ち寄ったりするので、とってもフェアな感じがする(笑)



さて、その同僚の誕生日パーティ。


招かれた時に、ガールズ・ナイトだと聞いていた。

ヨーロッパでは、パートナーがいる場合、たいてい二人セットで招待される。

私の同僚達もみんなパートナー持ちばかりだし、パートナー同士もパーティや何かで顔見知りだ。


パートナーも交えた付き合いもすごく楽しい。

お互いの知らなかった部分が、パートナーとのやり取りの中で見えてきたりもする。

それに、仲の良い同僚のパートナーがすごく良い人で、二人の間に良い関係が築かれているのを見ているのはうれしいし、楽しい。


しかしそれでもやっぱり、気心の知れた者同士が集まってのガールズ・トークの楽しさはまた格別(笑)


ガールズ・ナイトなんて久しぶりだったし、集まるのはほとんど仲良し同僚ばかりなので、かなりワクワクしていた。


美味しいサラダやチリコンカルネをたらふく食べて、デザートに同僚S.S.が作ってきた「(通称)焼酎ケーキ」(笑)を食べた辺りから、テンションが異様に上がっていった。


このケーキ、本当はなんとかザーネトルテ(名前忘れた)とかいうスイスのケーキらしい。

スポンジケーキに、果実で作られた焼酎を、前もって火を通すわけでもなく「生」のまま、これでもかっていうくらいに染み込ませてある。

口に入れた瞬間に焼酎の香りが口いっぱいに広がり、生暖かい息とともに鼻を抜けていく、というそれはそれは楽しいケーキだ。

もちろんザーネトルテというだけのことはあって、生クリームと砂糖もたっぷり使われている。

こうしてきっつい焼酎の味は、適度にマイルドに中和され、二口目からは味覚も良い具合にほだされ、結構パクパク食べてしまい、知らず知らずのうちにいーーーーい気分になっている。


そんな異様な意味のない大盛り上がり大会のさなか、

ふと気付くと、同僚C.R.が彼女の5年来のパートナーとのなれそめを語っていた。

いや、正確には輪になった同僚ちゃん達から次々と質問や突っ込みが入り、なんだか分からないうちに語らされていた。


あーでもない、こーでもない、とさんざんに茶々を入れられながら、語り終わったC.R.が輪になっているメンバーの顔を見回して一言。


さあ、次は誰?


こうして、「パートナーとのなれそめ語りなさい大会」の幕が切って落とされた。


これがまあ尋常ではないくらい面白かった。


みんながみんな面白かったわけではない。

とっても純粋で素敵な恋の始まりの話もあった。

しかし、日頃からしゃべりが達者な同僚ちゃん達だから、ここぞとばかりに盛り上げて、面白おかしく語っては笑った。


いつのまにか審査員グループが結成され、

「付き合ってから何年?」

「一緒に暮らして何年?」

「彼はお皿洗ってくれる?」

「コートを着る時に手伝ってくれる?」

などの採点のための必修の質問が設定されていた(笑)



さてさて、その日聞いた話の中で、特に書きとめておきたかったのは、

その日の主役、K.T.のルームメイトのサンディのお話。

彼女は、私達同僚の中に混じって大いに場を盛り上げていた。


サンディは本当に口から生まれてきたに違いないと確信をもっていえるくらいよくしゃべる。

毎朝朝食に焼酎ケーキをホール単位で食べているんじゃないかっていうくらい、年がら年中いつでもテンションが高いのだ。

しかも必ず笑うツボを用意している。

そして、調子が乗ってくるほどに出身地方のコテコテの方言を前面に押し出すところが、なんとも良いボケ具合を演出し、愛嬌があるというか、笑わずにはいられない。


というか、彼女の話についていくにはこちらも相応のテンションを要求される。

「いつ見ても眠そう」なんて不名誉なことを言われてばっかりの私には、なかなか辛い(笑)

彼女が勢いつけて話し出すと、こっちはとにかく「さあ、笑ってやるぞ」と身構えてしまう、そんな感じなのだ。



そんな、たまに会うと散々笑わされる羽目になるサンディには、現在、遠距離恋愛をしている彼女がいる。

タイプミスではない。

本人から直接その話を聞いたのはこの夜が初めてだったし、K.T.から間接的に彼女の近況として恋人の存在を知ったのもつい数ヶ月前のことだ。

しかし、不思議なもので、そのずっと以前から、何となくそうではないかと思っていた。

だから話を聞いても特に何とも思わなかった。




サンディの恋のお話は次回に!