ホタル舞う夜の空 -7ページ目

イブラヒムおじさんとコーランの花たち

久しぶりに映画の話。

この映画、こちらでは2004年に公開された。
いわゆる単館系の映画で、クチコミで評判になった。
私も友人に誘われて一緒に観に行った。


全編を通して、ほのぼのとした、割と淡々とした、言葉は悪いけどちょっと単調なテンポで話が進む。

じゃあつまらないかっていうとそう言うわけではなくて、

ごまかした小銭を貯めて、大人の男になるために街角の女性を買ってみたり、
その小銭をごまかすために、イブラヒムおじさんの店から商品をちょろまかしてみたり、、、

パリの貧しい移住組みが住む地区の生活ってこれが普通なのかしら

先進国地域である中央ヨーロッパの、しかも☆パリという大都会の影の部分を覗き見する感じ

かなり好きなんだけど、そう言うの。


正直なところ、映画についての強い印象はなかった。
ああ、良い映画だよねっていう感じ。

ハピネット・ピクチャーズ
イブラヒムおじさんとコーランの花たち

じゃあなぜいまさら書くのか。

今年の誕生日に、この映画の本をもらった。
プレゼントしてくれたのは、奇しくも誘われて一緒に映画を観に行った友人。
なぜ「奇しくも」かっていうと、本人が覚えてないから(笑)

この映画知ってる?

そう聞かれて私も、

ああ、観たよ

しか言えなかった。
記憶が薄かったから。

後でよくよく考えてみたら

そう言えば彼女に誘われて一緒に観に行ったんじゃん!(爆)

で、この本、「映画とはちょっと違うけど、よく出来てるの、いいよ」と彼女が言った通り、すごく良い

何が良いって、文字が大きくってページ数が少ない (← 子供かっ)
ハードカバーで表紙のイラストも素朴な感じで、ホント、児童書みたい。

文章も短めで難しくない。
そして何より、文がひとつひとつすごくきれい。


その決して多くない言葉の中に、人間を見守る優しさと深い愛情と、そしてユーモアが、たくさんたくさん詰まってる。
もうね、読んでて涙がにじんできそう。
悲しくて、じゃなくて、温かくて。

まさしく、イブラヒムおじさんそのもの。


内容はというと、友人の言葉に反して、ほとんど映画そのまま(笑)
いや、気持ちは分かるよ。
本を読んでようやく映画のディテールを思い出したから☆


私は幸せだよ、私のコーランに何が書いてあるか、知っているからね

全編を通して繰り返されるイブラヒムおじさんの言葉。

宗教観とか、そんなとっつきにくいものではなくて、色んな思いを黙って乗り越えてきたイブラヒムおじさんが語ってくれる心の真実。

自分を幸せにしてあげられるのは自分だけ
追い詰めて、不幸にするのも自分自身


私が読んだのはドイツ語訳。

Eric-Emmanuel Schmitt
Monsieur Ibrahim und die Blumen des Koran

フランス語訳のオリジナルや英語版もあるから、語学の勉強をしている人に、是非オススメしたい。


Eric-Emmanuel Schmitt
Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran


お風呂か、サラダボールか

ある日の昼休み、
研究室の休憩室でいつものように、同僚数人がご飯を食べていた。


研究室アシスタントのシヴィレは昨年、パートナーと一緒に古い家を購入し、自分達で少しずつリフォームをしてきた。

この日、シヴィレは浴槽の話をはじめた。


私はね、年にだいたい1回しか浴槽を使わないの。
でも、だからこそ、浴槽を使う時は、肩までしっかりと湯船につかれなければイヤなの。

浴室が居心地いいってことは、私にとって、すごく大事なの。
だから、十分な広さを取ったし、洗面台やファニチャーも吟味して選んだのよ。
浴槽だって、吟味して、吟味して、選んだの。


それなのにっっっ


うちの浴槽ときたら、


小さすぎるのよっ!!!




シヴィレのお風呂に取り付けられた浴槽は、三角形をしていて、泡の出るようになっている、材質もしっかりしてそうで、いかにも高そうな代物。
お披露目の会で見た時、私の目はもう釘付けだった。
ちゃんとしたホテルの、最高ではないけどちょっとお高めの部屋に取り付けてあるような、そんな浴槽。


ちょっと待ってよ、ヨーロッパの浴槽が小さすぎるって、一体どういうこと?
って、思うでしょ。


シヴィレは、横幅が結構ある。
で、本人もそれをかなり気にしていて、手を変え品を変えては、断食ダイエットをしている。
そう言う意味では、何をどれだけ食べても極端に太ることの無いアジア人(って、うちの研究室には私だけだよ)は、彼女にとっては天敵だったりする(←ここ大事!)。


あの浴槽、カタログで選んで発注して買ったの。
会社はケルンにあるから、試しに入ってみることができなかったのよ。

でもアッヒム(彼女のパートナー)が、写真で見るよりも実際は大きいはずだって言うし、
まさかお試しのためだけにケルンまで行くことも出来なかったし。

でも、小さすぎるのよーーーーーー(涙)
どんな向きに入っても、肩が出ちゃうの。


初めて入ってみた時は本当にアッヒム相手に泣き喚いたわよ
こんなことなら、ごく普通の安い浴槽を買えばよかったのにーーーーーーーー(涙)


アッヒムは、角を(三角形の浴槽の両端の鋭角)少し壊して広げれば、何て言うけど、手間隙が掛かるし、水周りなんて素人にそう簡単にできるわけでもないし(涙)


ここまで来て、オチの無い話で、行き詰まってしまった。

彼女のダイエットのことはみんな知っているだけに、まさか、
じゃあ浴槽のサイズに合わせて痩せれば?
なんて非情なことは誰にも言えるわけもなく、

そこで、
でもほら、小さな浴槽にもいいところがあるじゃない
という方向に持っていこうと、私なりに話を振ってみた。


でもさ、ヨーロッパの浴槽って大きすぎるのよね。


アンタならうちのク〇湯船でも頭までつかれるわよ!


シヴィレが、いきなり総攻撃態勢で突っかかってくる。
大体、人の話聞いてないし。


私、身長160cm。
日本人女性としては大きい方で、(南)ドイツ人の女性と比べたって、身長だけならばまったく遜色ない、堂々たる普通サイズである。
意外かもしれないけど、私よりも小さなドイツ人女性なんて、それこそ本当にいくらでもいる。

なのになのに、相変わらずこの、小さな日本人の女の子扱い。

それって、八つ当たりだろう?

いい加減にしなさい(怒)

そりゃあ確かに、厚みや骨格の大きさでは敵わないけど・・・。


日本では「小さい女の子」は「可愛い」からモテるのかもしれない。
でもドイツで「小さい」「可愛い」と言われたら、一人前として扱われていないと思ったほうがいい。
精神的・経済的に独立している大人の女性に対して、「可愛い」「女の子」なんて言葉を使うことはあまり無い。



ま、彼女がケンカ腰でジョークを言うのが好きな性格なのはよく分かっている。
ここで黙ってしまうのは癪に障るので、相手にしないで、続ける。


しかもこっちって、一回毎に水を捨てるでしょ。
水がもったいなくって、結局、湯船にお湯を溜めるってことをしなくなっちゃうの。


だから私は逆に小さな湯船が欲しいな

大きさは、このくらいで十分なのよ。
その分深くて肩までつかれればいいの。


そして、椅子の上で体育座りをしてみせて続けた。
我ながら、なんて素晴らしい表現力☆と、自己満悦に浸る瞬間。


すると、シヴィレがさらに食いついてきた。


アンタなら、大きなサラダボールで十分


一同、爆笑 (チクショー)

そして、サビーネが間髪居れずに、それに続いた。

ああ、それならIKEAで売ってる(←サラダボールが)わよ!



ま、負けた。

つい、笑ってしまった、息も出来ないくらいに。

完敗。



心優しい愉快な同僚に囲まれて、毎日楽しいです。




残暑お見舞い申し上げます

すっかりご無沙汰しております。


気付いたら暑中お見舞いの時期も逃してしまいました。
社会人失格です。


全然更新していないのに、それでも覗いてくださる方がいらっしゃって、嗚呼申し訳ないと思いながらも、日々、感謝・感激しております



ここで、なぜ更新しないのかという点について、ちょっとだけ言い訳させていただきますと、

最近、研究室で動いている複数のプロジェクトに関わってまして、その一つがもう締め切り間近なんですね。
小さな小さな(額の)プロジェクトで、最初はメンバー全員でタカをくくっていたんですが、やってみたらビックリ。

これが結構、作業量がありまして。
やっつけ仕事のつもりだったのに、そう簡単にやっつけさせてくれません。

結局、メンバー総動員(と言っても3人ですが)で、ほとんど掛かりっきり、作業計画(つまり予算)、大いにオーバーです(笑)

オーバーしまくり、鼻血も出ません

一般企業ではないので、そのために経営母体が赤字になるってことはないんですが、要するに、人員がタダ働きしているわけです。

こんな安く、質の高い仕事(←自分で言うな)をして、業界のマーケットを破壊してはいけないなあ、と、別の意味で深く反省しています。

ということで、次からはもっと吹っかけさせていただきますから。




私の場合、教授のお情にすがって、優先的に研究室で自由になるお金を回してもらい養ってもらっているので、

お金を引き出している同僚のプロジェクトの作業が忙しくって、自分の仕事が後回しです

なんて、

口が裂けても文句を言える立場ではないんですが・・・

こんなことしてたら、自分の研究なんて絶対に終わりません。

というよりも、段々と戦意消失してきました。
やばいなあ。


残暑お見舞いのつもりが愚痴になってしまった、、、。


最後になりましたが、まだまだ、暑い夏が続きますのでお体に気を付けて健やかにお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。

豆腐と豆乳

豆腐って苦手だった:

豆腐・豆乳が体にいいってことは、もちろんよ~く知っていた。

もともと冷奴とか湯豆腐とか豆腐の御味御付けとか、豆腐の味しかしないのは苦手。
食べられるんだけど、どこが美味しいのか分からなかった。

喜んで食べるのは、辛くない麻婆豆腐とか、居酒屋の豆腐のサラダくらい。

歯ごたえのないフニャフニャの絹ごしは食べられない。
実家の裏の豆腐屋さんで買ってくる硬い木綿は硬すぎる。

オカラや白和えは大好きなんだけど。

豆乳、液体の豆腐なんて、想像するだけで寒気がする、とか思っていた(←食わず嫌い)。

ちなみに、ドイツへ来て、滅多に豆腐が口に入らない生活になったら、有り難味が身にしみて、たまに日本に帰ると狂ったように豆腐でも何でも食べるようになった。

ドイツへ来てみて、スーパーでも(豆腐はないくせに)豆乳が売られていることに、かなり衝撃を覚えた。
日本独特のモノだと思っていたので。


ルームメイトと豆腐:

私のルームメイトは、ベジタリアン。
肉モノは一切食べない。
そんな彼女の食生活に、豆類や豆腐は欠かせない。
ベジタリアンには結構多いけど、素材にも気をつけて、野菜でも卵でもBio製品を中心に買ってくる。

でもね、彼女が買ってくるBio豆腐、硬くて美味しくないのよね。
ガチガチで味も素っ気もないって言うの?


アジアショップの豆腐:

私はアジアショップで豆腐を買う。
でも、日本から輸入されるらしいパック入りの豆腐はやたらと高いので買わない。
店先で水に入れて置いてある(←懐かしい)、レンガのような大きさの生の豆腐(←保存が効かないので切れたらお終い)。
オランダかどこかで作られているらしく、1ユーロもしないんだけど、これがまたしっかりと硬い。
そして酸っぱい(涙)いつ買っても酸っぱい。
悪くなっているんじゃなくて、そう言う味らしい。
麻婆豆腐にしか使えない。
麻婆豆腐しかしないからイイケド。


ルームメイトの豆乳デビュー:

ルームメイトが去年の夏くらいから、豆乳デビューした。
彼女自身も、最初はかなり抵抗があったらしいんだけど、ヴェーガンの友達のところで、コーヒーにバニラ味の豆乳を入れたものを試して以来、はまっている。
最近は、冷蔵庫に豆乳バニラ味が常備されている。

sojamilch01 ←こんなやつ。


私の豆乳初挑戦:

そして私もほぼ時を同じくして、豆乳を試してみた。
どこかのWebサイトで見かけたダイエット用の朝食メニュー。
豆乳と色んな野菜をジューサーで混ぜて作る飲み物。

それまで朝食はパン屋でチョコ・クロワッサンを買ってオフィスで食べていたんだけど、そろそろ飽きたし、カロリー高いし。
しかもカプチーノを作って一緒に飲むからさらにカロリー高いし。

いきなり健康な食生活に目覚めた(単細胞な)私は、翌日すぐにパックの野菜ジュースと豆乳を購入。

自分では作らないよ。
朝起きられないし、そんなことしてたら午前中いっぱい潰れちゃいそう。

これは結構イケル。
すごく美味しいとは言わないけど、野菜ジュースやトマトジュースで豆腐の味は隠れるし、腹持ちも結構よくって、朝食にはピッタリ。
でもね、グラスを持って研究室ウロウロしてると、同僚みんなから好奇の目で見られる。
変な色だからかな?


花粉症と豆乳:

花粉症のひどい同僚がいる。
彼女はここ数年、花粉症の時期になると牛乳・乳製品、卵、小麦粉、肉などを一切絶っている。
本人曰く、いままでどんな薬も効かなくって、1ヶ月間の逃亡生活を真剣に考えた時もあったくらいだけど、食生活をコントロールすることで症状が軽くなる。

しかしスペイン人の彼女、朝一番のカフェコンラチェだけはどうしても諦めきれない。
スペイン語でミルク入りコーヒーくらいの意味ですね。
そこで彼女がはじめたのが、カフェコン豆乳(ピュア・無糖)。
すんごく美味しいよ☆
と、オススメされた。


更なる挑戦、コーヒーに豆乳:

コーヒーに豆乳は、結構勇気が入った。
豆腐味のコーヒーって、想像するだけでゲンナリしてた。

さて、今年の夏。
こうも暑いと、やっぱり冷たい飲み物が欲しくなる。
研究室にはエスプレッソマシンがあって、いつでも美味しいコーヒーが飲めるんだけど、こう暑いとカプチーノ作る気力もなくなる。

話は大きくそれるけど、
この街のカフェには、いわゆる「アイスコーヒー」っていう飲み物がない。
カフェに行くと、メニューにEisKaffee(あいすかふぇー)っていう飲み物があるけど、これは日本で言うコーヒーフロートのこと。
コーヒーを冷やしておくという習慣がないので、コーヒーマシンで抽出された温かいコーヒーを氷を入れたグラスに注いで、その上にバニラアイスを浮かべ、無糖の生クリームをたっぷりかけて運ばれてくる。
ガムシロップなんてモノはない。
なんていうか、大味。

そんな、お世辞にも豆腐ファンとは言えない私の最近のお気に入りは、
エスプレッソとバニラ味豆乳で作るアイスコーヒー。
作り方は簡単。
エスプレッソを冷蔵庫で冷やしておいて、バニラ味豆乳と混ぜるだけ。
これが美味しい。
コーヒーとバニラの味で、豆腐の味はわからない。
そして砂糖なんて入れなくても十分に甘い。
って、どんだけ甘味がついてるんだ、こっちの豆乳。




ワールドカップ 総まとめ編 ~その3

今回、こんなに盛り上がった原因には、晴天続きの天気もかなり大きく影響している。
WM前は雨が多くて冷え込んだりもして、はっきりしない天気がずっと続いていた。
それなのに、まるでWMの開催に合わせるかのように、いきなり雲ひとつ無い快晴の夏日が始まった。

ドイツでは例え何もなくたって、快晴の夏日には、外に座ってビールを飲んでしゃべって時間を過ごすのが定番だ。
っていうか、暑いから、天気が良いからっていうのがここでもビールを飲みに行く当然の理由になっている。
こんな良い天気がいつまで続いてくれるか分からないから、誰も彼も、老いも若きも何かに駆り立てられるように、ビアガーデンやレストラン、カフェの外席や公園へと繰り出す。

これにサッカー観戦が加われば、週に何回でも仲間と集まってビールを飲む理由ができる。

多くの家庭では、テラスやバルコニー、庭やガレージにテレビやスクリーンを出して、グリルをしながらサッカーを観戦していたし、
街なかのカフェやバーでは店内や店頭にいくつもテレビやスクリーンを設置し、
大きな芝生のある公園には巨大スクリーンが設置され、多いときには13000人もの観客を集めた。

そして特筆すべきことは、

WM期間中は、そんなにたくさんの人々が集まってサッカー観戦し、
その多くが決して素面とは言えない状態でそのまま街なかへと繰り出していったにも関わらず、
驚くほどに平和的で、暴力沙汰などのトラブルはほとんど起こらず、
待機していた警察官の出番がほとんど無かった、ということ。

wm_fans11 ヒマそう(笑)

これは新聞で何度も取り上げられていたから、本当に、かなり驚異的なことらしい(笑)


結局、ベルリン(フィナーレ)には行けなかった。

でも、
最後(3位決定戦)に勝ったドイツは、それそこ優勝したかのような騒ぎっぷりだった(笑)
フィナーレで負けるよりも、逆に最後に勝てたことで、非常に満足感が高かったようだ。
終わり良ければすべて良しということなんだろうか。


こうしてドイツ人が元気と誇りを取り戻しているのを見る限り、今回のWMはドイツ社会にいい影響をもたらしていたと思う。4年に一度の馬鹿騒ぎお祭りも、良いかもしれないと思える。

いやいや、いつもそんな風に温かく見守っていたわけじゃない。
勝った後に、町中をクラクション鳴らして大声張り上げて車乗り回されるのは本当にうるさくって頭が痛くなるほどだったし、
特に夜中は止めて欲しいのよね。

このままドイツ人が調子に乗ってるの、なんかムカつくから負けて欲しいとかも、実はちょっと思いました(笑)

ビールの消費量が今の時点で去年を大きく上回っていることだけは確実だろうと思う。
景気も少しは上向いただろうか、、、。


ワールドカップ 総まとめ編 ~その2


そう、開催前には全然期待されていなかった(らしい)ドイツのナショナルチーム。
なのに、フタを開けてみたならば、あれよあれよという間に、負け知らずで予選通過してしまった。

そりゃあ、ドイツ人たちが狂喜乱舞するわけです。

ドイツが連勝を続けている間、町の中はかなり浮かれていた。
ドイツが勝った後なんて、街の中心部はドイツの国旗をまとった人々でいっぱい。
片手にビールを持って、大声を張り上げて歌を唄ったり、ベルリンへ行くぞーって叫んだり、おかげで路面電車は通行できなくて折返し運転になるし、道路は一時通行止めになるし・・・

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かなりのお祭り騒ぎで、傍で見ているだけでも面白かったりもしたけど、そんな中でふと思った。

こんなに幸せそうで、自分の国を誇らしく思っているドイツ人を見たのは久しぶり。

ドイツの国旗を手にしたり、マントのようにまとっていたり、国旗と同じ3色のカツラを被ったり、国旗の3色のレイを首からかけていたり。

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知らないもの同士でも、ドイツ国旗を介して仲間意識で結ばれ、一緒にビールを飲み、大声を張り上げていた。

住宅の窓にも国旗がたくさん飾られていた。
もちろんドイツだけではなく、それぞれ応援している国の国旗を出しているんだけど、圧倒的に多いのはもちろんドイツ。

車の窓にセットする小さな国旗セットが大流行して、道行く車にも、駐車している車にも、ドイツの国旗が誇らしげに揺れている。

wm_fans03  こら、ハンドマイクはやめれ、ホントにうるさいんだよ!

こんな光景、オリンピックでは絶対に有り得ない。
サッカーのヨーロッパカップでもこんなことはなかった。
それに、4年前のWMではここまで盛り上がらなかった、ような気がする。
実はあんまり覚えてないけど。

国旗の3色を使ったデザインのモノを身につけている人なんて、普段は絶対に見かけない。
国旗はすなわち国家のシンボルであり、ナショナリズムのシンボルでもある。

ドイツでは、ナショナリズムはファシズムと結びついてドイツ民族純血主義を推進した過去があるから、
だから、ドイツ人の多くは、周りから誤解される恐れがあるから、ナショナリストだと思われるかもしれないから、そのことで非難されたくないから、気を使ってわざと避けているような印象を受ける。

大体においてドイツ人はドイツ人であるということを、無理やり背負わされた十字架のように感じている人が多い気がする。


第2次大戦後、(西)ドイツは、ヨーロッパの一員、世界の一員として復帰するために、忌まわしい過ちをすべて清算するところからスタートするしかなかった。
小学校でもギムナジウムでもその他の学校でも、ナチス・ドイツの時代の歴史を、繰り返し繰り返し教えられる。
これでもかとういほど、叩き込まれる。
ドイツ人は、欧米人全般から嫌われている。
正確には、嫌われている、と、思っている人が驚くほど多い。

いや、戦争を知っている世代では実際に嫌っている人も多いみたいだけど。

それに加えてここ何年かは、景気の停滞が長引き、失業率の上昇は止まらず、東西格差は一向に縮まらず、そのせいで年金制度の見直し、健康保険制度の改正、雇用制度の見直し、消費税率のアップなどを避けることが出来ないところまで来てしまった。
戦後復興が終わり西ヨーロッパ一の工業国となった西ドイツが、大盤振る舞いで築いてきた社会福祉国家が、今、音を立てて崩れ落ちようとしている。
っていうか、もう崩れちゃった(涙)

そんなんで、最近は鬱々とした、不満や怒りを溜め込んでいるような雰囲気が社会全体を支配していた。

そこへ来てこのWM。
予想を裏切る快進撃のおかげで、ドイツ人達は沸きに沸いた。

久しぶりに、誇りと自信を取り戻し、心の底から嬉しそうに幸せそうに笑い合い、騒ぎ合うドイツ人たち。

国旗の3色を身につけた人たちはみんな、とっても楽しそうで、フレンドリーだった♪

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夏の夜

しつこいようですが、毎日暑いです。

研究室で熱気にやられながら仕事して、家に帰ってくると、熱がこもっていてまさしくサウナ状態。
家を出る時、西側の窓は雨戸代わりのシャッターみたいなヤツ(日本語で何ていうんでしょう、あれは?)も隙間なく閉めて出る。
直射日光や温められた空気を遮断するのでこれだけでもかなり違うけど、でもやっぱり暑いことにかわりはない。

そんな暑い部屋に帰ってきて、グッタリしているところに、上半身裸でピアノを弾いているトラちゃんの姿が目に入ってくる。
いや、暑いんだから裸で居ることは一向に構わない。
でも・・・

お願い。
それでくっついて来ないで、ベタベタして気持ち悪いから(涙)

とは口に出せない、苦悶の瞬間。


もちろん夜もそれでベッドに入ってくる。

それで寝るの?
Tシャツ着ないの?


着ない。
暑いじゃん。

どうして人間は汗をかくのか知ってるでしょ。
気化熱で表面体温を奪って、体温調整する働きがあるんだよ。
だから着ない。


んなこたあ君に言われるまでもなく知ってる。

しかし、私の経験上、裸で寝ると汗がすぐに吸収されないので、寝具が汗でグチャグチャになってしまう。
かえって気持ちが悪い上に、ある時急に体が冷えて風邪を引いたりもする。
・・・私の場合。


でもさ、寝ている間に体温を奪いすぎて、風邪引いたりするじゃん。
だからTシャツくらいは着た方がいいよ。



あんたの汗で 私のベッドが汚れるからTシャツ着て寝てよ

とは、直球すぎて、さすがに(思ってるけど)言えない。


不毛な押し問答を続けていると、いい加減眠くなったのか、

この暑さでTシャツ着るのは嫌だけど、君がどうしてもそうして欲しいって言うなら、君のためにTシャツ着るよ。

なーんてトラちゃんが言い出す。

Mmmmmmmmm そう来るか。

ビーバーのような目で見つめられて「君のために譲歩しよう」なんて言われちゃったら、
トラちゃん曰く魔女のように意地の悪い私でも罪悪感が顔を出すってもんだ。

敵も然る者。

どうしよう。。。

・・・。

Tシャツ着てちょうだいっ



ごめんなああ。






ヨーロッパは今年猛暑って本当ですか?

あ、暑い。
毎日気温が軽~く32度を越えてます。
昨日は帰る時(18時過ぎ)に36度でした。
暑いだけで乾いているならなんてこと無いけど、すっごく蒸し暑い!

ワールドカップの開催に合わせるかのように始まった超夏日。
ワールドカップも終わったというのに、まだこの辺りに未練を感じているらしい。
お願いだから、早くどっかに行って欲しい。
もういい加減にして欲しいのよ、そろそろこの辺で。

毎日暑さで頭が朦朧となり、生産効率の著しい低下が避けられないこの状況で、なぜか複数のプロジェクトの仕事で追われに追われ、身動きの出来ない私。
その割には皆様のブログにちゃんとお邪魔してるんですが(てへっ)


研究室は暑くって仕事にならん!
と、自宅に篭る同僚も何人もいるというのに、

私の家は屋根裏なので、日が昇ってから落ちるまで(9時から21時くらいまで)サウナ状態!
ここよりもっとひどいっす(涙)
ああ、行き場のない私。


そんなイライラの募る中、
東京の母からちょうどメールが来ていた。

こっちは毎日25度くらい、雨も降るけど、すっごく過ごしやすいわよ~♪
ヨーロッパは猛暑で死者も出てるらしいわね。
なんか、こっちとそっちの気候が逆転しちゃったみたいね、うふ♪ (←これは意訳です)

・・・ムカついちゃった、ゴメン。
あなたに悪気が無いのは分かっているけど、そんな世間話の相手をする気力も無いほど、こっちは辛いんです。


家に居ても暑いし、仕事はたまってるし、どうしようもなく土曜日だっていうのに、研究室に来ている私。
ドイツ人東西ヨーロッパ人の同僚達はそんな私を狂人扱いします。


もちろん、広い研究室に独りぼっち。
まあいいわ、静かだから。
PCもプリンターもコピー機も独り占めだし☆
同僚や教授から茶々が入らない分、自分の仕事に集中できるってもんよ。

と、言いつつブログ遊覧を楽しんでいたら午前中が終わってしまった・・・。
何やってるんだろうと、少し落ち込む。

まあいいや。
過ぎてしまったことは仕方がない。

ここぞとばかりに音楽を掛けている。
今のBGMはドボルジャークの新世界。
せめて気分だけでも涼しく。
このCD、5ユーロくらいだったんだけど、交響曲「新世界」とスメタナのモルダウが入っていて、かなりお気に入り♪

この後はモーツァルトのレクイエムでもかけて、ますます独りぼっちの世界に浸ろうかなっと。

なんて書いてたら、教授が来たよ。
ビックリ。
彼も相変わらず忙しそうだねえ。

さ、そろそろ仕事に掛かろうっと。

共同PC室のPCを立ち上げ(私のPCには入っていないソフトが入っていて、今日の仕事には必要だから)、
そのついでに窓を開けたら、外からドライヤーの熱気のような空気が流れ込んできて、さらに落ち込んじゃった・・・。






ワールドカップ 総まとめ編 ~その1

いまさらですが。

ワールドカップ(以下、WMと省略します)にはほとんど関心が無く、まったく他人事として傍から眺めていたんだけど、終わったところで、ちょっと客観的に振り返ってみたいと思います。

なんかいい訳くさいけど(笑)


今回のWM、主催国ドイツの活躍はあまり期待されていなかったらしい。
つい先日、契約の更新をしない意向を公式に発表して、ドイツのファンを悲しませたあの監督(クリンシーって本名は何ていうんでしょう??)、WM開会前は、批判の的になっていたらしい。

理由は、

選手に自由を与えすぎる。
監督としてもっと統制を図るべきだ。

ということだったらしい。

なんか、どこかで聞いたことのある点ですねえ(笑)

選手生活を終えて、パートナーと子供たちと一緒にアメリカで生活しているクリンシーは、とにかく選手一人一人の能力を信じ、思うようにプレーをさせ、自身をつけさせる。
本人も喜怒哀楽をはっきりと表現する。
という点で、これまでのドイツ人の監督とは違っているらしい。

これまで厳しい管理体制(?)で、選手を引き締めてプレーさせるというやり方だったドイツチームにはまったく違っていて、これが解説員(?)なんかの批判を集めていたらしい。

らしいらしいってすみません。
人から聞いた話ばかりなもので(汗)

しかし、この選手を信頼して自主性に任せ自信をつけさせ伸び伸びとプレーさせるというやり方が、ドイツでは見事に実を結んだ。






長くなるので、細切れにします。



いまさらながら、ワールドカップ・スペシャル(続編)

負けましたね。

その日、自宅の部屋で窓を全開にして、ボーっと過ごしていた。
もうすぐ日が暮れるというのに暑さが引かず、あまりの暑さで食べる気力も遊びに行く気力も無く、半分朦朧としながら。

その間中、隣のお宅の庭からは楽しそうな歓談の声と応援の声が聞こえていた。
窓から眺めてみると、広ーい芝生の庭にスクリーンを出して、グリルをしながら、ドイツ-イタリア戦を観戦していた。
かなり遅くなってもまだ応援する声が聞こえて来ていて、今日はやけに長いなあなんて思っていた瞬間

あああああああ、ないんっ(涙)

という悲鳴に近いいくつもの叫び声が聞こえた。

そして静まり返る。

んんんん、負けちまったのね。




ところで、街なかで、こんなもの見つけちゃいました。

まっくら森の娘さん(民族衣装) ワールドカップ・バージョン

schwarzwaldmaedel1


よく分からないかもしれないけど、ドレス部分は人工芝でできてる。


あ~あ、やっちゃいましたね(汗)


4年に1回のお祭り騒ぎだから良いのか?
私がまっくら森出身だったら、こんなの嫌だけどなあ。



ちなみに、由緒正しい着用法は↓のとおりです。



schwarzwaldmaedel2