ホタル舞う夜の空 -6ページ目

Adams Aepfel (2006年)

しばらく映画館に近づいていなかったんだけど、最近また、突然映画館づいてる。

実はこの映画を観に行った前に、マイアミ・ヴァイスも観て来た(←トラちゃんがどうしても観たいって言うもんだからさ)んだけど、やっぱり私はこういう単館系(?)が肌に合ってるな~。

久しぶりのデンマーク映画。
ポスターを観た瞬間、ビビっときた(笑)

タイトルは、「アダムのリンゴ」っていう意味

adams_poster

だってさ、アルコール中毒症(一番左の女性)、スキンヘッドのネオナチ(真中)、それに半ズボンはいてるのがカトリック教会の神父(右から2番目)
これは何が何でも観なければ、と思ったね。




物語はアダムっていう男が、刑罰である3ヶ月間の更生プログラムにより、ド田舎の教会へとやってくるところから始まる。

路線バスから降りてくる人相の悪いスキンヘッドの男、これが主人公のアダム。
辺りは見渡す限り一面が畑で、人家も見当たらない。
そこへ古い車が到着し、降りて来た男が妙に人懐っこい笑顔でアダムに挨拶する。
そのうれしくって、楽しくって仕方ないっていう笑顔がアダムには腹立たしい。
いきなりその頬を殴りつけるアダム、、、。



そんな始まり(笑)




アダムに殴られようが、返事もしないで一切無視されようが、おかまいなしにとにかく陽気にしゃべる続ける神父。

君と同じ様にね、更生プログラムで来た二人がいるんだよ。
3ヶ月過ぎたらどこへでも行って構わないのに、二人ともいまだに教会に居るんだよ。

どうしてだろうねええええ?

どうしてだと思う????



教会に到着する。

神父との打ち合わせ

さて、君のプロジェクトのゴールを決めなきゃね。
何をする?

そんなものには全く関心がないアダム。
イライラが爆発しそうになっている。

神父はそんなことお構いなしに畳み掛けてくる。

これからの3ヶ月で何をする?何をしたい?

あまりに鬱陶しいので、相手の神経を逆なでするために、めんどくさそうに、馬鹿にしたようにアダムが言った。


アップルパイ、、、 アップルパイを作る。

巨大なアップルパイを作るよ。




・・・。









アップルパイ、、、。

いいいいいいいねええええええええ。

いや、いいいいいいいいよおおおおおおお、そうか、アップルパイか。

よし、じゃあ君のプロジェクトはアップルパイだ!




唖然として声も出ないアダム




ある日、アダムが部屋に居ると、神父が入ってきた。

すぐに壁に掛けてあるポートレイトに気付く。

到着してすぐにアダムが、掛けてあったキリスト像をとっとと外した後にアダムが飾った、
アドルフ・ヒットラーのポートレイトだ。



ネオナチの人って、本当にヒットラーのポートレイトを飾ったりするものなんだろうか、、、?



神父がすぐに気付いて、ポートレイトに向かって近づいていき、ポートレイトを覗き込む。



ひとモメ来るか?!
来るだろうな、やっぱり。
おそらくネオナチの暴力事件か何かで捕まって、監察下に置かれている男が、
その教会で、ヒットラーのポートレイトは不味いよな、いくらなんでも。

私たち観客は息を潜めて、次の瞬間を待つ。













いいいいいいいい男だねえええええええええ。

君のお父さん??





さて、映画が進むにつれて段々と明かされる神父の秘密。

彼は頭にテニスボール状の腫瘍を抱えており、神経だか中枢だかが圧迫されているために、彼の身の上の悲惨な状況をまともに受け止めることができないのだ。
腫瘍が大きすぎるために摘出するための手術も出来ず、医者もなぜ彼がいまだに生きていられるのか分からないと投げ出している状態。


悲惨な過去や現実は部分的に都合のいいように脳内変換し、すべてをポジティブに受け止め、おかしいくらいにいつも楽しく朗らかに生活する神父。
神父が何も干渉してこない、何も強要しないのをいいことに、教会に住み着きながら、盗み癖はそのままアルコール浸りの生活をしている男と、ピストルやライフルをぶっ放すことに何の抵抗もなく、ガソリンスタンドを襲っては強盗を続けている男。

なんなんだ、こいつら?
もう、頭がおかしくなりそうだ。



ネオナチに所属し、反社会的で凶暴性を剥き出しにしていたアダムだが、この異常な状況の中で、次第にまともな言動が出てくる。

いや、ネオナチとは言え、グループに属して生活していたアダムは、少なくとも集団生活における協調性や最低限のモラルが備わっているということなんだろう(笑)

社会からのはみ出し者で、モラルなんてものには縁がないと自負していたはずの男が、
社会性の欠片もない他の男たちの、常軌を逸した行動を目の当たりにして、ふと”正気”を取り戻す、
そんな感じ。


映画全体がブラックユーモアでまとめられていて、ちょっときついなって所も正直なところあった。
それに、おいおいって思うような、瞬間芸的な笑いを狙った暴力シーンもある。
好き嫌いがあるかかも、、、あるだろうな、やっぱり。
特にメッセージ性はなくって、分別のついている大人のためのエンターテイメントっていう感じだった。



それにしても、ここ数年、デンマークの映画は面白いのが多い。

なんていうか、最初から大きなマーケットを狙っていなくって、小さなマーケットで自由に伸び伸びと作りたいものを作っている感がある。

ストーリー自体はあまり目新しくもなかったり、
かと思うと、「ふざけてる?」って思うような脈絡のないものだったりするんだけど、

個性的でクセのある役者が揃っていて、個性的でクセのある脚本に、うまく活かされている。

なんていうのかな、自分のスケールや世界をよく心得ていて、その中で自分を120%活かして、自分も精一杯楽しんでいるって感じ。

これぞ単館系っていう楽しさがある。





Emmas Glueck (2006年)


エマは、20代後半か30代前半だろうか。
祖父から譲り受けた農場で、農婦としてたった一人で暮らしている。

人里離れた農場で、滅多に町にも下りず、町の人との付き合いもほとんどない。
自給自足の生活。
農場では、豚の飼育を主にしている。

もう一人の主人公マックスは、30代半ばの自動車のディーラー。
生真面目なだけが取り得のようなマックスは、仕事に明け暮れる日々で、恋人もいない。


オープニングでは、そのマックスが医者へ行って精密検査を受け、告知を受けるシーンと
エマが農場で豚をと殺するシーンを重ねて交互に見せられる。


豚を招き寄せ、撫でさすり、優しく語りかけ、安心しきっている豚が地面に腹這いになったところに、
何の前触れも見せずに突然、鋭利な刃物で頚動脈を切断する。
首から血が吹き出す豚を、抱きしめ、優しく撫でながら、静かに10まで数える。
豚は静かに目を閉じる。


こうして、のっけから、映画の主題が語られる。


余命がいくばくもないことを知り、自暴自棄になったマックスが事故を起こして、エマのところに転がり込む。

一目見た瞬間からマックスに惹かれてしまったエマ。


ある日、豚をと殺する場面に出くわし呆然とするマックスに、エマが語る。


子供の頃、祖父が豚をと殺する時には、縄で首を縛ったの。
豚はものすごい悲鳴を上げたわ。
この後、何が起こるのか分かっていたのね。

„Nur die Angst vor dem Tod ist schlimm, nicht der Tod selbst“

耐え難いのは死への恐怖よ、死そのものじゃないわ


その言葉を自分の運命と重ね合わせて聞いているマックスと
それがマックスにとってどんな意味を持つのか、まだ知らないエマ。



久々のドイツ映画だった。

Claudia Schreiberという作家の小説をSven Taddickenという監督が映画化したものらしい。

目新しいものは何もないテーマにストーリーだけど、
粗野でたくましい農婦エマと、都会的で線の細いマックスを演じた役者がどっちもはまっていて良かった。

重たいテーマだけど、お涙頂戴ではなく、ところどころにクスッという笑いを散りばめてあって、
飽きることなく、嫌になることもなく、最後まで一気に見せる。

いわゆるトラジコメディ(Tradikomoedie/悲喜劇)といわれる類のもので、
最近のドイツ映画はこのジャンルで良いものが多い。

エマに恋心を抱く警察官の若者とその母親が、すごーくドイツのテレビでよくあるコメディっぽい(笑)
単純で分かりや~すく笑いを取る。
もうベタベタのキャラだけど、この映画にはあって良かった。


公式のWebサイトはこちら
http://emmas-glueck.pandorafilmverleih.de/


お客様は〇〇です in ドイツ

ほぼ2年ぶりに一時帰国することを決め、インターネットで格安航空券を探し、購入した。

私にとっては大金である旅費を振り込んだものの、航空券買った会社から音沙汰無く、、、

入金確認しました


の一言くらい言ってこいよ、こっちにしてみたら身を切る思いでやりくりした大金なんだからっ

と、ムカついていた。
はじめっから、ただでさえ、ムカついていた。

するとある日、

残りの入金664.23ユーロを忘れないで下さい

とかいうふざけた手紙が届いた。

ふざけんなーーーーーーっ

と一気に頭に血が上り、すぐに、

請求書がメールで届いてすぐに全額振り込みしましたけど?
さらに入金した後、確認のためにメールも出しましたよね?
もっとも、そちらからは何も言ってきませんでしたけど(嫌味)

大体、請求された金額に全然覚えが無いです (← チケット代は二人分なので、倍以上に高い!)
こんな手紙をいきなりもらって驚いたし、とっても不愉快です (← 結構きついよ、これは)

もう一度、きちんと確認してください
確認したらすぐに連絡ください (← 怒ってんだぞって感じ)


って不機嫌丸出しのメールを出した。

すると、向こうもすぐに返事してきて

振込みの時のレシートをファックスかメールで送ってください
あなたからの入金が確認されなかったから手紙を出したんです

なんて、まるでこっちが悪いみたいな態度。


銀行の振込み票とか、取引明細とかを確認のためにどっかに送るなんて初めてのことじゃないけど、
神経質で小心者な私は、
まずコピーをとって、知られたくない情報をすべて黒いマジックで消して、それをさらにコピーをとる(← こうすれば他の情報が完全に塗りつぶされて判読できないから)

これって神経使うし、面倒

それに、こっちの口座からお金が引き落とされていることは明細で確認できてるから、振込みにされていないわけがない。

明らかに向こうのミスなのに、確認のためにこっちに手間を掛けさせるって、一体どういうこと?!

どうしてくれよう、と思いつつ、もう一度送られてきた手紙と請求書見比べてみたらば、

請求番号が違うじゃないかーーーーー!!!!

↑ もっと早く気付けよ(汗)


全然関係ない請求金額を堂々と送りつけて来て、払ったって言ってるのに疑われ。

もう許しちゃあおけねえ(怒)

と思い、


送られてきた手紙に書いてある請求番号は、私のもらった請求書の番号と違います!!! 
(↑ 大文字にして、さらにビックリマークもつけてみました。嫌味よ、嫌味だわ)

それに請求金額もまったく違います

あなたのPCを使えばそんなこと簡単にチェックできるはずですよね 
(↑ 暗に「プロの仕事じゃないわね」「この怠け者が」と言っている、つもり)

私に何かを要求する前に、

そちらできちんともう一度確認すべきです
 
(↑ ふざけんなよって感じ)


と書きなぐり、どーんと送信。


本当はもっと嫌味タップリ強烈に文句を書いてやろうかとも思ったんだけど(十分きついかなあ?)、逆ギレされてもこっちに得はないので、辛うじて怒り狂う自分を抑え、直球勝負。


夜、トラちゃんに、あったま来たからこういうメールを送ってやったって話したら、

ホントにそう書いたの?(驚)

書いた

いいぞ、でかした!

と、大喜びしていたので、きっと十分きつかったんだろう(笑)


それでも、また何言ってくるかとドキドキしながら(← どこまでも小心者)、
しかもいざと言う時のために明細のコピーもちゃんと準備しつつ(笑)
翌朝、ビクビクしながらメールをチェックしたら


きゃー、メールが着てるー!




入金を確認しました



。。。



この、一言だけ。

本当に、この一文だけ。


さんざん気をもませて、私の時間を無駄遣いしやがって、

謝れーーーーーーー


こちらの手違いでした。申し訳ありません。

なんて言葉はもちろん、ない!
あるわけが、ない。

期待してなかったけど、やっぱりムカつくっ


あんまりムカついて、気持ちがおさまらなくって、
トラちゃん相手に「謝罪がない」とブチブチ文句を言っていたら、

じゃあ「謝罪しろ」ってもう一度メール出せば?
僕なら、本当に頭に来たらそう言ってやる

と言われたけど、



今回はこの辺で勘弁しておいてやるぜっ ふんっ



・・・じつは、不要に怒らせて、嫌がらせで航空券を使えなくされたらどうしようって不安になってきたから(汗)

↑ 小心者はどこまでも小心者


インターネットで格安チケットを見つけて予約した数日後に、ロンドンのテロ未遂事件は起こるし、なんか不吉・・・

無事、帰れるのか?!



きのこ採り

きのこ採りに行ってきました!

まだ生きてます。

全く知識のない私だから、もちろん一人で行ったわけではなく、同僚のびおろーげにくっついて行った。


びおろーげ(Biologe)というのは、辞書で引くと「生物学者」って書いてあるけど、
そんなたいそうなもんでもなく(← って書くと果てしなく失礼ですね、びおろーげの皆様すみません)、
大学で生物学を専攻した人は、Dipl.Biologeという学士が与えられることから、
生物学を専攻した人、または生物学を専攻している大学生なんかも、びおろーげと呼ぶ。


9月に入ってから晴天続きのまっくら森。
お昼ご飯を食べながら、同僚と話しているときに、きのこ採りの季節だね~という話になった。

日本では毎年のように自分で採って来たキノコを食べて亡くなる人が居るからね、
都会っ子の私としては、キノコなんか全然知らないし、恐いからキノコ採りって行ったことないのよね。

と話したところ、一緒にいた同僚のびおろーげ様が

僕は毎年行ってるよ!
自分で集めた新鮮なキノコは買ったキノコよりもずっと美味しいよ。

そりゃそうだろうけど、全然知らないし、コワイし・・・

一緒に行く?

行く! (←食べ物がただで手に入る、落ちていると思うとじっとしていられない貧乏人)

ということで、話が即まとまった。

この同僚びおろーげ様、春には森でアイヌネギを集めてペストを作り、夏には森にベリー類を集めてジャムを作り、ベランダではトマト・ズッキーニ・パプリカを作り、秋にはキノコ採りに行くという筋金入りのびおろーげ(?)

以前にも、アイヌネギ(またの名をギョウジャニンニク)採りとペスト作りは一緒にやったことがある。

彼と一緒なら安心☆

とある日の午後、早めに研究室を抜け出し、まっくら森目指して列車に乗り込んだ。


そして森


ホントにみつかるのかな~

というわずかな不安を笑い飛ばすかのような大収穫♪



ほ~ら、こーーーーーんなにいっぱい!

pilze01

冗談ですよ、もちろん




いやーん、おいしそ~

pilze02

しつこい?




本当に、こんなに採ってきました。

pilze04

これは本当に食べられるキノコたち。


すぐにキノコソースを作って、パスタと一緒に食べた。


でも、とても一食で食べきれるような量ではなく、

pilze05

びおろーげ様が乾燥させてくれました。

オーブンを70度くらいに設定して、一日くらい時間を掛けて乾燥させるんだとか。
↑ 家中がキノコ臭で大変だそうです(笑)

私のうちのオーブンはガスで、温度設定が160度からしかできないので、びおろーげ様が自分の家で乾燥させてきてくれた。

収穫は平等に山分け、ということで、毒キノコや美味しくないキノコにばかり気を取られていた私にも、一瓶持ってきてくれた。
Danke!!!

これで数ヶ月は十分に持つらしい。



こちら、そのステキなDr.びおろーげ様

pilze03

あれ?顔が切れてる
(↑ ウソウソ、プライバシー保護のために切りました)

びおろーげ様がナイフをしっかりと握っているのは、私が毒キノコをカゴの中に忍ばせてきたので怒っている

のではなく(ホントホント)、

キノコを下準備しているからです、念のため。

ホントに仲良しですってば(笑)




Thank you for Smoking (2006年)

主人公はタバコ業界のスポークスマン。

激化する禁煙運動と戦い、販売量が落ち始めたタバコ業界を救うために雇われ、アメリカ中を駆け回りマスコミにも顔を出す。

プライベートでは離婚していて、一人息子を精一杯愛し、父親としての役割を果たそうと頑張っている。

そんな、いわゆるステレオタイプなエリートアメリカ人。


健康に害を与える恐れがあることは百も承知、
でも、必ず害があるってことだって科学的に実証されたわけじゃない、
統計で見たってタバコが原因で死亡したとされているケースはごくわずかだ

という具合に、敵意剥き出しの禁煙キャンペーンの代表者たちを言いくるめていく。

タバコ業界のスポークスマンとして働いているのは、
「しゃべるのが得意だから」
「そのしゃべりを必要とし、高く評価してくれるから」


タバコ業界と禁煙運動を繰り広げる団体との争いを題材としているけど、
映画の背景にある主題は、USA社会特有の「論争」


「(利益を獲得しようとするために)取引しようとするのではなく、根拠を並べろ(相手の主張の裏側にある本当の理由を考えてそこをつけ)」

「自分が正しいかどうかは問題ではなく、相手(の主張)にも非があることを論証しさえすればこっちの勝ち」


主人公が、
屁理屈にも近いような論拠、
気転を利かせた飴(慈善プロジェクトなど)の使い方、
甘いマスク
で、敵を論破し、観衆を丸め込み、世論の操作をする。

策の掛け合い、互いのあら捜し。


論争社会の実像を皮肉っていて、すごく面白い。

ラストの主人公の転身もいかにもアメリカ的。


人生、勝ち負け。

なのか?

公式Webサイト
http://www.foxjapan.com/movies/thankyouforsmoking/


コピー屋のおっちゃん

さて、コピーした文献 を簡易製本に出しに、コピー屋に行った。

お、今日はおっちゃんが店番か
なんか勢いがあって圧倒されるなあ、この人
いつもの愛想のいいお兄ちゃんは居ないのかな
ガッカリ


製本お願いします


製本って、のり製本?スパイラル製本?


のり製本でお願いします


普通ならここで表紙の色を選ばされて終わり
なんだけど
おっちゃん、パラパラとページをめくりながら、さらに聞いてきた。


本当にのり製本がいいの?

のり製本の方がもちろん見栄えは良いよ
だから本棚に飾っておくだけならのり製本がいい

でもね、実際に読むつもりならスパイラル製本にした方がいいよ



んんん、でもねえ、日本の大学の先生に頼まれたんですよね。
だから、のり製本の方が良いかなあと思って、、、


飾っておくだけ?


いや、読むと思う(笑)


のり製本だと机の上にページを開いたまま置いておくことができないし、何度も開いているうちにページがはがれて落ちたりもするよ


だからね、提出用の学術論文ならのり製本の方が良いけど、実際に何度も読んで使うつもりなら、悪いこといわないからスパイラルにしておきなよ


ま、おっちゃんはどっちでも構わないけどね。

スパイラルならその場でできるよ
のり製本は糊を乾かさなきゃならないから、最低1日は掛かる

スパイラルが2.9ユーロで、のり製本は4.3ユーロね


おおおお、安い方の製本をこんなに力一杯オススメしてくれるなんて、なんて職人気質なおっちゃんなんだろう(感動)

手に取った時のインパクトを想像すると、きれいに見えるのり製本の方が良いような気もするけど

でも、大先生、本気で読むつもりみたいだったしなあ

んんんんん、せっかくおっちゃんがそこまでアドバイスしてくれるんだから


じゃ、スパイラルでお願いします


あいよ!
じゃ、今すぐ製本してあげるからね


というと、他の客が私の後ろで待っているにも関わらず、奥に引っ込んでしまった。
しかし、ものの数分であっという間にまた出てきた。


ほい、できたよ。

2.5ユーロでいいや


ええええ、今なんて?
こんなに親切にアドバイスしてくれて、
しかもたった一部の製本で値引き?
聞いたこと無いよ、そんなの


いやいや、良いですよ、払いますよ、ちゃんと


いいよ、君はコレ読んで勉強しなきゃならないんでしょ、

かわいそうだから
2.5ユーロでいいよ(笑)



いや、読むのは私じゃないんだけど・・・


せっかくのご好意なので、2.5ユーロぽっきり払ってきた


いやあ、いいいいいいおっちゃんだなああああああああ
商売っ気ゼロだね(笑)


コピーでイライラしていた荒んだ心を癒していただきました


使いっぱのつぶやき


ある時、数少ないコンタクトのある日本の大学の先生からお願い事をされた。

〇〇という人の△△という本(学術論文)を入手したいので、購入して送ってください。


めんどくさいなあああああああ。


しかし、大先生(?)の依頼を断れるはずもなく、、、
インターネットで検索(Zack!)、即、発注(fertig!)
するつもりだったら、
ありゃま、出版社で在庫なしですか。

すみません、「在庫なし」でした
この手のマニアックな論文は在庫が切れた時点で追刷しないので、入手はムリですね

へへ、ザンネンでした



すると大先生、


いやいや、そこを何とか、ぜひとも読みたい文献なので、コピーして送ってください


なにーーーーーーー?!

コピーって、つまり全コピーってことでしょ?

200ページくらいある文献の全コピー!

あたしだってヒマをもてあましてるわけじゃないのよ

きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ(怒)

大体あたしは、あんたの学生じゃないのよーーーーーーーーー

(大先生の学生さんたち、ごめんなさい)




かと言って無視するわけにもいかず。

でもあまりの忙しさに図書館に行って全コピーする時間が取れずに(ええ、ええ、言い訳ですとも)
数週間、ほったらかしていた。


ほったからしていると、自分の中でプレッシャーだけがどんどん膨らみ、そのうち良心の呵責に耐え切れなくのが小心者の小心者たる所以であり、、、


コピーしたさ、大学図書館で。

かなりイライラモードで、
1ページずつ、
ページをめくってはコピーボタンを押し。


東京で働いていた時にもさんざんコピーを取ったので、コピー機の扱いには慣れている。

クライアントから借りてきた資料を全コピーしたりするのは下っ端の役目だったし、
打ち合わせ前夜、終電の時間が迫る中、時計とにらめっこしながら、ようやく出来上がった30ページはある分厚い報告書を人数分コピーして仮留めするのは日常のことだった。


大学図書館なんて古いタイプのコピー機しかない。
仕事で使っていたのとちょうど同じようなモデル(古っ)。
コピーがface upで出てきて上に積み重なるタイプ。
本のはじめからコピーしていくと、ページの順番がひっくり返る。

こういう時はね、後ろからコピーするんだよ。


こら!そこのドイツ人学生、
コピーの順番を前から並べ替えるために作業机を占領するなっての
私だってコピーのページの確認したいんだから

ここ、ちょっといい?


君、その本もうコピーし終わったの?早いねえ


当たり前だよ
コピーみたいな下らない作業に時間なんか掛けてられるかってーの

下らない作業をとっとと片付けて、楽しい作業をする時間を確保するのさ
私はずっと、そうやって働いてきたんだよ

そうするとね、その速さを買われて、益々下らない作業が次々と舞い込んでくるのが世の常なのさっ!!

くぅ、会社時代を思い出しちまったぜ


さてさて、さんざん放置した挙句に、あっという間にコピーした文献。

ついでだから製本にも出してやったさ。





この色は、心の叫びです。
実際に発信された言葉ではありません。

・・・と、思う。



街角ギャラリー

街で見つけたこんなものシリーズ第2弾!





なんちゃってミロ?

baustelle7





なんちゃってシャガール?

baustelle10






なんちゃってクレー?

baustelle8





なんちゃってピカソ?

baustelle9





いえいえ

実はコレ




baustelle6

建設現場の覆いでした!






baustelle4   baustelle3   baustelle2

若き野菜たちよ!

久々に市街地を歩いていて、こんなポスターを見つけた。

jungesgemuese1

小さくてなんだか分からない?


じゃ、絵のところのアップ。


jungesgemuese3

うわー、アップで見ると、結構エグい(汗)



jungesgemuese2

若い野菜にも!

いや、若い野菜て、、、


jungesgemuese5


練習がマイスターを育てる。 (← ドイツのことわざ)
情報は人を賢くする。青少年こそ、コンドームを正しく使用する方法を、的確な時期に覚えなければならない。(以下略)



さすが、誇り高きマイスター制度を守り続けている国、ドイツ (脱帽)


でも、野菜って、、、


これ、いつもこういう人目を引く写真とキャッチフレーズを使ったインパクト勝負(?)のエイズ撲滅キャンペーンを行う団体のポスター。

jungesgemuese4

エイズにチャンスを与えるな。



深夜の攻防戦

トラちゃんは、毎日、私よりも早く起きて仕事に行く。

低血圧で(←もちろん、単なる言い訳ですってば!)早起きが苦手な私は、
トラちゃんが起き出して着替えるのを寝ぼけ眼で眺め、
ベッドの中から「いってらっしゃ~い」と手を振り、精一杯の愛想を振り撒いてお見送り(?)する。

毎日のことなので、二人ともたいてい目覚ましがなる前に目を覚ます。
二人とも目を覚ました時は、短い間に、今日は何時に帰ってくるとか、誰と会うとか、そんな話をする。
トラちゃんが。
私は、それを半死状態で聞いている。


昨日、目を覚ますとトラちゃんがなにやら嬉しそうに面白そうに話し始めた。


昨夜さ、寒くて目が覚めたんだよ。

(ギクッ)

ふうん?


君が掛け布団を独り占めしててさ (ニコニコッ)


(や、やはり・・・)


で?


でさ、ちょっと分けてくれないかなあって思って、端っこを引っ張ってみた。

いつもはすぐに気がついて分けてくれるんだよね。

(ん、いつもは?)


でも昨夜はさ、こう、足を踏ん張って、腕も力入れて全然分けてくれなかったよ

あははははは~(笑)


あははは、はは~(汗)



で?



で、寒かったからさ、足だけ君の方に突っ込んでみた

あははははは~(爆)



・・・、あ、あははははは~(汗)