ホタル舞う夜の空 -3ページ目

空自慢

ところでうちの空(くう)ですが、

すっごく、かわいいんです。

きゃー、言っちゃった、言っちゃった。


ホントにね、色白で目が大きくて顎のラインは細くてすっきりしてるし。

体は小さめなんだけどスポーティな体型でよく見ると結構筋肉質だったりして。


なーんて、いきなり親ばか炸裂ですが。


そんなわけで、空と一緒に散歩したり、電車に乗ったりマルクト(市)に行ったりすると、通りすがりの見知らぬ人から

あら~、かわいいいいいいいいい♪

ってお褒めのお言葉が掛かる。

もうその一言でニタニタしてます。
世の中まだまだ捨てたもんじゃないぞっ!


通りすがりの大人からも子供からも

「撫でてもイイ?」

と聞かれることも少なくなく、

「ええ、どうぞどうぞ、喜びますから」

そんな時の空は、
初対面の人に飛びつくこともなく、
いかにも大人しそうな、しかしひとなっつっこそうな素振りでスリスリとそっと近づいて行って、
静かに撫でられているイイ子だ。

それはそれは人心を掴むツボを押さえた憎いヤツである。

これが2度目、3度目になると、
大好きな人には飛びついてスキンシップを強要するし、
かかんで相手してくれる人には顔をなめて甘える、と、見せかけて、鼻に歯を立てたりもするんだけどね。



まあね、里親探しのWebサイトで写真を一目見て、「この犬だ!」と思わせたくらい、そして養子縁組までの長い長い道を乗り越えさせたくらいですから。


そ~んな愛らしい容貌を持った空ですが、見かけによらず相当な頑固者。

そいでもって、すっごく生意気

やりたくないことはやらない。

うちに来てまだ1ヶ月しか経たないのに、既に複数の人から頂いたお言葉:

Sie hat eigenen Kopf.

自分の頭を持っている、自分の意志で行動している。


そこがまた面白いんだけど、ほとんど一日中一緒に居るとなると面白がってばかりもいられない。
毎日の散歩中のトレーニングは強情対決
意地比べ根気比べの本気勝負(笑)


そんなstur(しゅとぅあ)でfrech(ふれっひ)なやつですが、

私にピッタリお似合いの犬、と周囲では早くも評判。

トラちゃんや同僚達は、「sturでfrechなのは、頭が良い証拠だよ」と、笑いをかみ殺しながら誉めて(?)くれる。


この間もガソリンスタンドで給油したときに、トラちゃんが会計しに店へ入ったら、レジにいたおば様がわざわざ「きれいな犬ねえ」と声を掛けてくれたそうです。
店の窓越し、車の窓越し、さらに店から車まで5mくらいの距離があったにも関わらず。

いやー、空を連れてるとどこに行ってもかわいいって誉められるなあと、

かなりうれしそうなトラちゃん。

私だってもちろん鼻高々。

でもちょっと、複雑な心境。

Sie kann auch anders sein!
それだけじゃないのよ!!

たま~に会って遊んだり撫でたりする分には、カワイイし大人しいし、
ホント、良い子ね~
って関心するんだろうけど

ねえねえトラちゃん、紙に書いて車に貼っとく?

Sie ist zwar huebsch, aber FRECH!!!
彼女は可愛らしいけど、生意気です!!!

ってさ。



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おい、そこの、することないんなら、眺めてないで撫でれ!


↑ うちに来た当日なのに、この見事な甘えっぷりはどうよ?!

空がうちに来た理由(わけ)

とはいえ、

「かわいそうな犬を1頭でも救いたい!!」

なんていう立派な志があったわけではなく、

たまたま見たWebサイトでたまたま目にした空の写真に一目惚れしただけの話。

Webサイトでの紹介文では、ゴールデンレトリバーのミックスということにされている。

サイトの写真で見た時は、文章のまま、あ、そうなんだと思った。


実際に見たら、想像していたよりもちょっと、いや大分小さかったんだけれども。

そして線が細い。

大丈夫かな?っていうのが第一印象。
大丈夫かなっていうのは、体、丈夫なんだろうか?ってこと。
足が当たっただけで吹っ飛びそう?




今まで色んな人に

コレ、何?!

って聞かれて、紹介文そのまま

どうもゴールデンのミックスらしいよ

って答えてきたんだけれども、

え(絶句)、、、ごめん、でも絶対にゴールデンは入ってないと思うわ

とか、

いや、別に謝ってくれなくても、そんなのどうでもいいし(笑)

スピッツが入ってそう

とか、

昔スピッツって嫌いだったなあ、ギャンギャン吠えるイメージがあって

ウェルシュ・コーギーが入ってそう

とか、

ていうか、それ耳だけでしょ。空は足長いし。

耳がキツネみたいで笑える

とか、


なんだか色々言われてます。

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そんな、なんとも形容し難い、世界でたったひとりの君がいいのさ。

空がドイツに来た理由(わけ)

空をはじめて見たのは、インターネットのとあるサイト。

ポーランドで犬を保護してドイツに連れて来て、里親を探しているサイトだった。

なぜポーランドで保護した犬をわざわざドイツへ連れて来るんだって、思うでしょ。
うん、私も思った。

ドイツにはこういう保護団体がたくさんある。

犬に限らず、猫とかその他小動物を保護して里親探しをする団体。

それぞれの団体がWebサイトを持っていて、情報を公開して里親を探しているんだけど、それを集めているポータルサイトもいくつもあって、条件で検索できたりもする。

例えばココ
Tiervermittlung.de

そんな犬や猫の多くは、外国からドイツへ連れて来られる。
外国ってのは、ポーランド、ハンガリー、ギリシャ、イタリア、スペインといった国々。

私自身は実態を知らないので、活動している団体の言葉を借りるしかないけれど、
こういった国々ではペットの扱いがひどかったりするらしい。

クリスマスに子供にプレゼントしたけど、世話が仕切れないから捨てる、
とか、
子犬の時に飼い始めて大きくなったから捨てる、
とか、
猟犬として飼い始めたけど役に立たないから捨てる、
とか。

もちろんこれはドイツでも起こっていること。

そんな風に保健所に連れて来られた動物達には、数週間から1ヶ月くらいの猶予を与えられる。
といっても狭いケージの中に四六時中入れられ、期間内に引き取り手がなければ処分される。

運良く動物の保護施設に保護されたとしても、人手不足と財政不足のために衛生状態の悪い狭いケージに数頭ずつ入れられて、散歩にさえ出してもらえない、満足に餌も与えられない、という情況が多く見られるんだとか。

そこで、そのような団体は、ペットにとっての生活環境が比較的良いドイツで、責任を持って最後まで大切にしてくれる人に斡旋するために、ドイツに連れて来ては里親探しをしている。

それに、これら南の国々から連れてきた犬猫は、オープンで人懐っこい性格が多いんだって。


空も、そんな団体の一つに保護されて、ドイツへやって来た。

紹介文によると、妊娠して、面倒なことになると思った元の飼い主が保護施設に置いて行ったんだとか。

まだまだ子供っぽさいっぱいの空は、去年の11月にママになった。
空の子供達はみんな引き取り手が見つかってもらわれて行き、子育てから手の離れた彼女の里親を探していた。

子犬時代に犬社会のルールを見につける機会をきちんと与えられなかったらしく、空は見知らぬ犬、特に大きな犬に対して警戒して唸ったり、時には吠えたりもする。


まだ2歳、これからたくさん色んな犬と友達になって、犬社会に馴染んでいかなきゃね。

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Hallo!

えー、はじめまして。

あっしが空です。

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ちょっと緊張気味?!



いやいや。

インターネットで遊んでいる勉強している横に来て座り込み、、、

ねー、何してんの?


あっしと遊べ、じゃなきゃ、なでれ

と、目で訴えてるところ。

もう4月ですね。

それもなかばですか。

すっかり更新が途絶えてました。

実は3月に家族が増えまして、

といっても、四つ足なんですが。

ここでは仮に空(くう)という名前にしておきます。

芸能人じゃあるまいし、別に本名を出しても良さそうなものなのですが、ここのタイトルも合わせて語呂が良いので(笑)

2歳くらいの♀の雑種で、

あ、ワンコですが、

出身はポーランドです。

これで我が家は、日本+ドイツ+ポーランドのMulti Kultiファミリーになりました♪

Multi Kulti (むるてぃ くるてぃ)っていうのはマルチ・カルチャーのドイツ語版の略語です。


空(くう)の写真はまた近いうちに、きっと、多分。

なぜかってーと、私のVAIO、USB 1,0しか入ってないもんで、デジカメのデータが落とせないんです(笑)

なんて言っても、8年前日本を出てくる時に買った、当時すでに最新モデルではなかったVAIOなもんですから。

ま、ドライバーをインストールすりゃイイだけの話なんですが。


というわけで、ここ1ヶ月は、空(くう)さんが加わったことにより生活のリズムなんかが大きく変わりました。



Sense and Sensibility (1995年)

最近映画の話書いてないし、ってことでタイトルを変えた

ばかり

なのに、、、

ラブコメディ嫌いなトラちゃんが居なかった週末、久しぶりにラブコメディでも観て脳みそほぐしてみっか、ってことで
スーパーで衝動買いしてしまったDVDにはまってしまって。

邦題は「いつか晴れた日に」
mit (with) ヒュー様♪

いつか晴れた日に
 

19世紀初頭のイギリスの地方が舞台。
広大な土地とお城のような館を所有している貴族、ダッシュウッド家の主が亡くなるところから物語は始まる。
当時の法律によって、主の全財産は息子に相続されることに決められている。
結婚して居を構えているロンドンから死の際にある父のもとへ呼ばれ、継母と腹違いの妹の面倒をみるようにと約束させられた息子。
しかし、財産を独り占めしたい妻に上手く言いくるめられ、うやむやにしてしまう。
最愛の夫、父を亡くしたばかりだというのに、さらに路頭に迷ってしまう後妻と3人の娘。


数週間前に買ったこのDVD、もう少なくとも5回は観ました(笑)

なぜかってーと、舞台が19世紀初頭のイギリス、しかも上流階級のお話とあって、言葉が非常に分かりづらい。
最初に観た時は、正直なところディテールが分からなかった。
もちろん映像があるから、「あの人感じ悪い」とか、「あの人たちは惹かれ合っているのね」くらいは分かる。
この映画、人間関係が非常に分かりやすく描かれていて、意地悪なキャラクターは見た目から意地悪、良い人は疑いようもないくらい良い人(笑)
でも言い回しがやたらと回りくどくって、前後関係やなんかは把握し切れなかった。

そういう時に活躍するのはやっぱりDVD☆

ドイツ語音声 + ドイツ語字幕
とか、
英語音声 + 英語字幕
とかが可能です。


秩序と礼儀と義理。
約束したことは守らなければならない。

エドワードのことが恋しくして恋しくて、
体がねじれてしまいそうな痛みを感じているにも関わらず、
理性で自分を制しているエリノアがすごく痛々しい。

エマ・トンプソンの抑制の効いた演技が光ってます。

ラスト近くのシーンで、今まで無理やりに押さえ込んできた感情がついに噴出して抑制できなくなってしまうエリノアがまた素敵。

そしてヒュー・グラントがまた、いつものちょっと自信なさげな、相手の心の傷に直接息を吹きかけるような、繊細な微笑みでひっぱります。

エマ・トンプソンにしてもヒューグラントにしても、顔の筋肉一本ずつ動かせるんじゃないかしら。

真面目であんまり面白みのない優等生でたっぷりと落ち着きを見せている姉エリノアと対照的に、
小説のような身を焦がすような情熱的な恋に憧れている妹を、タイタニックのケイト・ウィンスレットが演じています。

これがまたすごく魅力的。
まさしく娘盛りっていう年頃で表情も目も肌もキラキラと光を放っている感じ。

彼女もまた、映画の短い間に深い挫折を味わって、落ち着いた大人の女性へと成長していくわけです。


ずっと気に掛かっているのは、
この人たち(エマ・トンプソン演じるエリノアとヒューグラント演じるエドワード)、一体何歳なの?!
って点(笑)

セリフの中から、5年前には学校に居たって言ってるから、高等中学校みたいなものだとして、25歳くらい?
エリノアだって嫁き遅れとか言われてるけど、当時の貴族だったら20歳までには結婚するだろうから、やっぱり25歳くらい?

でもこの二人、どうみても30歳超えてるようにしか見えないんだけど、、、

実際に演じているヒュー・グラントは当時既に30歳過ぎていたはず。

ま、いいか。


それから、劇中思わず笑ってしまったんだけど、

この人たちって毎日毎日お茶したり、ピアノ弾いたり、庭でボーリングみたいな遊びしてみたり、「雨が続いて嫌だわ~」ってトランプしてみたり、
ロンドンへ長期滞在すれば街を散歩したり、舞踏会へ行ったり、、、

で、常に人の噂話。
トラブルが大きければ大きいほど、傍観者にしてみたら面白くていい。

他にすることないんかい?!
って突っ込みたくなる。

ないんだよねー、当時の貴族って。


日本にいるときはヒュー・グラントなんて全く興味なかった、というか、あの甘甘(あまあま)な顔がどうも苦手で、見るだけで蕁麻疹ができるくらいだった(っていうのは言い過ぎ)

でもここ何年かで何本か映画を観るうちに、彼が10年以上も(20年?)トップスターとして人気を保ちつづけている理由がわかる気がして来た。

彼って賢いよね。
自分の売り方を良く知ってる。
自分の得意な分野をわきまえてて、そのフィールド内で演ずるキャラクター、出演作品を選んでいるし、
なおかつ1本1本きちんと自分の役目をこなしてる、自分の魅力を最大限に打ち出してる。
彼の出演する作品も、スター俳優を全面に出した単なるラブコメディじゃなくて、ベースに流れるしっかりとしたテーマを持つものが多い。


ガールズ・トーク ~いとしさと、せつなさと、

それはサンディが大学に入って間も無い頃の話だ。



ドイツではギムナジウムと呼ばれる中・高一貫の進学校が9年間という長い期間を要するので、大学に入るのは早くても19歳だ。

(ちなみに小学校は4年生、10歳まで)

男子は徴兵制度があるし、女子も1年間研修や奉仕活動、語学留学などをするケースが多く、20歳で大学新入生というのが珍しくない。



サンディもその時、20歳だった。



入学してまもなく知り合った同級生のミヒャエル(男)と知り合った。

偶然だが、ミヒャはサンディの地元からあまり遠くない街出身で、そんな気安さもあり、すぐに打ち解けた。


背がスラっと高く、整った顔立ち。

一目見て、サンディもなんてカッコイイんだろう、と我を忘れて見惚れてしまったほどだった。

一緒に歩いていると、通りすがりの女の子が振り返ったり、じっと視線を投げかけたりする。


しかし、当のミヒャはそんなことには一切お構いなしで、朗らかで親切で感じが良い。

講義を受けるのも一緒、移動するのも一緒、昼ご飯を食べるのも一緒。


話をすればするほど惹き合うものがある、

気が合うなんてそんな生易しいもんじゃない、

すべての感情を分け合うことができる気がする、

お互いに対する信頼感は増すばかりで、

急速に接近していく二人だった。


はっきりとした言葉も態度もなかったけれど、どちらも自分の気持ちを意識し、そしてお互いの気持ちに気付いていた。

気付かずにいることも、気付いていない振りをすることも、もはや不可能だった。

気付きながらも、どっちからもはっきりした次の一歩は踏み出さない。

しかし、そんなことにはお構いなしに、お互いへの気持ちばかりがどんどん膨れ上がっていく。



ミヒャと仲良くなればなるほど、サンディは追い詰められていき、苦しくなっていった。



当時、彼女にはすでに、パートナーがいたのだ。



女性を愛している自分。

パートナーもいるのに、なぜかミヒャのことを思うと胸が苦しくて仕方がない。

そんなはずはない。

自分のことを「こっち側(これはサンディの使った表現そのままです)」に属する人間だと思っていたのに、

こちら側で生きていこうと決めて、ようやく心の平穏を手にしたところだったのに、

ここへ来て男性に恋するなんて、、、。



彼女はひどく混乱していた。



誰かを愛しく思う、

その感情は、

必ずしも相手の性別を限定して芽生えるものではない、

そのことを当時の彼女はまだ知らなかった。


当時20歳のサンディにとって、女性を愛する自分を受けとめるということは大変な覚悟でもあっただろう。

今から10年以上前。

彼女の育った田舎の小さな町では、同性間のパートナーシップはまだまだタブーであったに違いない。



ある週末、サンディは久しぶりに両親が暮らしている地元に帰ることにした。

すると、偶然にもミヒャも両親の居る地元を訪れるという。


どちらからともなく、方向も一緒だし、それじゃあ片方の車で一緒に行こうと言い出し、話はすぐに決まった。


ミヒャの車で彼の地元まで行き、サンディはそこからバスで地元に帰ることにした。


いつものごとく一緒に居ると、話しても話しても話題は尽きず、ただ楽しく、瞬く間に時間は過ぎていく。


気がつけば、ミヒャの地元に着いてからさらに4,5時間が経過していた。

サンディの地元へ行くバスの最終便の時間が迫ってくる。


行かなくちゃ、

でも後ろ髪を引かれる思いで歩き出すことができない。

ミヒャの顔に目をやると、彼も何とも言えない苦悶を顔に浮かべている。

さっきまでのお喋りの勢いがウソのように、黙り込む二人。

必死で言葉を探しているのに、何か言おうとすればするほど、何も出てこない。

まるでしゃべり方を忘れてしまったようだ。

気持ちはちりぢりに引き裂かれ、頭の中では取り止めのない思考が渦巻いている。

グルグルと回っているだけで一向に収集がつきそうにない。


もうだめ、これ以上はここに居られない、バスが来ちゃう、行かなきゃ。


意を決したサンディは立ち去る準備をする素振りを見せた時、

ミヒャが言葉を発した。



サンディ、君にどうしても言わなければいけないことがあるんだ。



オレ、、、、



実はオレ、、、、、
















彼女が居るんだ















あ、あ、あ、




















あたしも彼女がいるのおぉぉぉ


わぁぁぁぁぁぁ(号泣)







ずっと無理に胸の中にしまい込んでいた感情を一気に解き放ち、

堰を切ったように泣きじゃくる、

もうどうにも止められない状態のサンディ。


その横で、ミヒャはただただ呆然とした面持ちで立ち尽くしていた。



らしい。



あいつは本当にイイ男だわ。

相っ当ショックだったと思うのよ。

なんて言っても、想像だにしていなかった展開じゃない。


でもね、どうにか持ち堪えてたわ(笑)


本っ当にイイ男なのよ。


それ以来、ミヒャは私の一番の親友なの。





いやいや、君も相当イイ女だよ、サンディ




ガールズ・トーク ~焼酎ケーキで大盛り上がり

久しぶりに(他人の)恋の話でも。



先日、同僚K.T.の誕生日パーティがあった。



知っている人もいると思うけど、ドイツでは(ヨーロッパでは?)誕生日は「自分で祝う」もの。


友人達を自宅に招き(もちろん場所を借りて祝う人もいるけど)、

アパートメントを片付け、

朝からケーキを焼いて、料理をするまで自分でする。


招かれた友人達は、プレゼントを用意したり、ワインを持って来たり、ケーキやサラダを持ち寄ったりするので、とってもフェアな感じがする(笑)



さて、その同僚の誕生日パーティ。


招かれた時に、ガールズ・ナイトだと聞いていた。

ヨーロッパでは、パートナーがいる場合、たいてい二人セットで招待される。

私の同僚達もみんなパートナー持ちばかりだし、パートナー同士もパーティや何かで顔見知りだ。


パートナーも交えた付き合いもすごく楽しい。

お互いの知らなかった部分が、パートナーとのやり取りの中で見えてきたりもする。

それに、仲の良い同僚のパートナーがすごく良い人で、二人の間に良い関係が築かれているのを見ているのはうれしいし、楽しい。


しかしそれでもやっぱり、気心の知れた者同士が集まってのガールズ・トークの楽しさはまた格別(笑)


ガールズ・ナイトなんて久しぶりだったし、集まるのはほとんど仲良し同僚ばかりなので、かなりワクワクしていた。


美味しいサラダやチリコンカルネをたらふく食べて、デザートに同僚S.S.が作ってきた「(通称)焼酎ケーキ」(笑)を食べた辺りから、テンションが異様に上がっていった。


このケーキ、本当はなんとかザーネトルテ(名前忘れた)とかいうスイスのケーキらしい。

スポンジケーキに、果実で作られた焼酎を、前もって火を通すわけでもなく「生」のまま、これでもかっていうくらいに染み込ませてある。

口に入れた瞬間に焼酎の香りが口いっぱいに広がり、生暖かい息とともに鼻を抜けていく、というそれはそれは楽しいケーキだ。

もちろんザーネトルテというだけのことはあって、生クリームと砂糖もたっぷり使われている。

こうしてきっつい焼酎の味は、適度にマイルドに中和され、二口目からは味覚も良い具合にほだされ、結構パクパク食べてしまい、知らず知らずのうちにいーーーーい気分になっている。


そんな異様な意味のない大盛り上がり大会のさなか、

ふと気付くと、同僚C.R.が彼女の5年来のパートナーとのなれそめを語っていた。

いや、正確には輪になった同僚ちゃん達から次々と質問や突っ込みが入り、なんだか分からないうちに語らされていた。


あーでもない、こーでもない、とさんざんに茶々を入れられながら、語り終わったC.R.が輪になっているメンバーの顔を見回して一言。


さあ、次は誰?


こうして、「パートナーとのなれそめ語りなさい大会」の幕が切って落とされた。


これがまあ尋常ではないくらい面白かった。


みんながみんな面白かったわけではない。

とっても純粋で素敵な恋の始まりの話もあった。

しかし、日頃からしゃべりが達者な同僚ちゃん達だから、ここぞとばかりに盛り上げて、面白おかしく語っては笑った。


いつのまにか審査員グループが結成され、

「付き合ってから何年?」

「一緒に暮らして何年?」

「彼はお皿洗ってくれる?」

「コートを着る時に手伝ってくれる?」

などの採点のための必修の質問が設定されていた(笑)



さてさて、その日聞いた話の中で、特に書きとめておきたかったのは、

その日の主役、K.T.のルームメイトのサンディのお話。

彼女は、私達同僚の中に混じって大いに場を盛り上げていた。


サンディは本当に口から生まれてきたに違いないと確信をもっていえるくらいよくしゃべる。

毎朝朝食に焼酎ケーキをホール単位で食べているんじゃないかっていうくらい、年がら年中いつでもテンションが高いのだ。

しかも必ず笑うツボを用意している。

そして、調子が乗ってくるほどに出身地方のコテコテの方言を前面に押し出すところが、なんとも良いボケ具合を演出し、愛嬌があるというか、笑わずにはいられない。


というか、彼女の話についていくにはこちらも相応のテンションを要求される。

「いつ見ても眠そう」なんて不名誉なことを言われてばっかりの私には、なかなか辛い(笑)

彼女が勢いつけて話し出すと、こっちはとにかく「さあ、笑ってやるぞ」と身構えてしまう、そんな感じなのだ。



そんな、たまに会うと散々笑わされる羽目になるサンディには、現在、遠距離恋愛をしている彼女がいる。

タイプミスではない。

本人から直接その話を聞いたのはこの夜が初めてだったし、K.T.から間接的に彼女の近況として恋人の存在を知ったのもつい数ヶ月前のことだ。

しかし、不思議なもので、そのずっと以前から、何となくそうではないかと思っていた。

だから話を聞いても特に何とも思わなかった。




サンディの恋のお話は次回に!


独×仏 食文化の違い その5

この間の年末年始ではないんだけど、前回、フランスに行った時のこと。
やはりCarrefourで楽しく買い物をして、その品揃えの豊富さに頭がボーっとなっていた私とトラちゃんは、
ドイツへ買える前に是非、向こうで手に入らない食材を買って帰ろうと一致団結した。

ところが、このスーパーって本当に品揃えは豊富だし、いつ行ってもエライ混んでるし、で、何となくブラブラと買い物が楽しめるような雰囲気ではない。
酸欠で頭はズーンと重たくなってくるし、人の流れで目が回って気持ち悪くなってくるし(って、それはもう書いたか)

大体、いくらドイツでなかなか手に入らないとはいえ、新鮮な魚介類を何時間も掛けて運ぶわけにはいかないし、、、

海原をあてもなく彷徨う椰子の実のようにブラブラしていると、
肉や魚のカウンターの辺りで、イイ匂いがしてきた。

見ると、カウンターの端の方で、卓上コンロを使って何かを炒めている。
フライパンの中には、ぶつ切りにされて、緑色のソースに漬け込まれた物体がジュージューと音を立てている。
匂いからして、たっぷりのニンニクと色んな種類のハーブのソースだ。
その物体は、見たところ白身魚のぶつ切りのように見える。

そして、そのカウンターの下の冷凍ケースには、同じ色形の肉がパックされたものが大量に入れられていた。
どうやら、特価で売り出しているようだ。

これ、どう?
マリネしてある
なんかイイ匂いするし。
冷凍だから車の中でも大丈夫だし、家に着いてから冷蔵庫に入れておけば、翌日くらいにちょうど解凍されてると思うけど。

そうだね、買ってみる?

もうほとんど、えいやってな心境で、パックをつかみ出した。


そして数日後。

今日は、フランスで買ってきたを食べよう!

ということで、フライパンを熱して、パックを開けて、中身をドカッと空けた。

ほらほら、もういい匂いがしてきた~♪

そして、



身じたいは淡白な味。
鶏肉とかみたいな感じ。
だからしっかりと味のついたソースに漬け込んであるのね。

なんか、骨が多いね~。

、、、

って、ちょっと待って、、、

、、、


これって、魚の骨?

魚の骨って、こんな形してるっけ、普通??

V字型、してるよね、この骨、、、こんな魚、いる?

、、、

なんか私、何の肉だか分かったかもしれない。

うん。

、、、

やだああああああああ、やめて、やめて、言わないで

でも言わずにはいられない

、、、


準備はようござんすか?


これって、

もしかして、

、、、


カエル?

ほらほら、後ろ足が、V字型~(笑)




それも、



下半身だけのぶつ切り??


いやあ、どうりで緑色のソースがやけに似合うと思った、、、


いや、ごめんね、カエルさん達。
君たちのせいじゃないんだ。

ただ、君たちを受け入れる心と胃の準備が出来てなかった。
ホントごめん。

でも、きついわ、やっぱ。


いやいや、もちろん、最後まで食べましたよ。



独×仏 食文化の違い その4

さて、レジに進む前に、乳製品の棚も覗いてみよう。

そこで目にするのは、呆れるほど豊富なヨーグルトやプディングやチョコレートムースなどのデザートの種類、、、。

ドイツ人もヨーグルトはよく食べる。
朝食は、ミュッスリ*という人もすごく多い。
* シリアルとか、カボチャの種とか、ヒマワリの種とか、ドライフルーツとか、新鮮なフルーツなんかを混ぜて、牛乳やヨーグルトを掛けたもの
だから、ドイツのスーパーでもヨーグルトやプディングの種類はたくさんある。
でもドイツのヨーグルトのバリエーションといえば、色んなフルーツのミックスだ。
もちろんメーカーがいくつもあるから、このメーカーのこの味、というお気に入りはあるだろう。
人によっては、Bio(有機農法)製品がイイ、とか、地場産の製品をサポートする、なんかが選択の条件になる。

一方、Carrefourで見たヨーグルトのバリエーションは、、、
さっぱり理解できない。
一つの大きな冷蔵棚が一面、無糖のプレーンヨーグルトでいっぱい・・・(汗)
え、これ、全部味が違うの?だって、プレーンヨーグルトでしょ?
なんて言ったら怒られそう(いや、笑われるか)


フランスでは、美食を追及するために、時間と手間を費やして材料を作り出し、調理する。
そして少々お値段が張ることにひるむこともなく、食にお金を掛ける。

知り合いも言っていたが、フランス人ってエンゲル係数が高いと思う。
少なくとも、ドイツ人よりははるかに高いはず。

Carrefourは決してディスカウントのスーパーでなく、品揃えの広さと質の良さを売りにしているスーパーであるらしいので、直接比較することは出来ないけれど、物価を見ると、食料品などはドイツよりも少々高い。

それにドイツでは、ALDIやLIDLなどをはじめとするディスカウント・スーパーマーケット・チェーンが席巻していて、質よりも、安売り競争が盛んだ。



隣接している国なのに、こうも食生活が異なるというのも、非常に興味深い。


あー、ピスタチオ入りの緑色のヨーグルト、美味しかったなあ~。